長瀬智也×宮藤官九郎で王道のホームドラマ!
長瀬智也さんと西村敏行さんも共演4回目ということで、チームワークはバッチリですね!
ピークを過ぎたプロレスラー
観山寿一(長瀬智也)は42歳の現役プロレスラー。寿一の父親は、二十七世観山流宗家にして重要無形文化財「能楽」保持者の観山寿三郎(西田敏行)。人間国宝である。
そんな由緒正しき家の長男として生まれた、寿一は昔から父親に怒られたことがありませんでした。一緒にいたずらをしても怒られるのは弟子で寿限無だけ。
寿市は4歳の時に初舞台に上がり、神童と呼ばれるほどの才能を見せました。しかし、寿三郎は決して寿一を褒めませんでした。
寂しさを感じながら成長した寿一は、反抗期に入り、ちょうどその頃を母親が若くして亡くなったこともきっかけとなり、17歳で家を出てプロレスの世界に入りました。
デビュー当時はアイドルレスラーとしてもてはやされ、結婚して子供も生まれましたが、海外で怪我を負い、帰国すると妻のユカ(平岩紙)から離婚を切り出されました。養育費とマンションのローンだけが残り、その頃にはプロレスラーとしてのピークを過ぎていて、”さんたまプロレス”の会長・堀コタツ(三宅弘城)に拾ってもらい、今に至ります。
父親が危篤
そんなとき、会長から、寿三郎が危篤だという知らせが入ります。慌てて病院に駆けつけた寿一。
病室には弟の踊介(永山絢斗)と妹の舞(江口のりこ)がいました。危篤を知らせてくれたのは、寿限無(桐谷健太)昔から寿一と一緒に遊んでいて、寿一の分まで1人だけ怒られていたあの弟子です。
寿一は家を飛び出してから好き勝手やっていたため、反面教師から弟妹たちは堅実に生きようと決め、踊介は弁護士、舞は進学塾の講師。舞には高校生の息子・大州(道枝駿佑/なにわ男子/関西ジャニーズJr.)もいます。
寿一は何も知りませんでしたが、寿三郎は2年前に脳梗塞で倒れて危篤状態に陥っていました。(その時下半身麻痺が残った)踊介と舞はその時にさんざん泣いて別れの言葉も告げたため、今はすっかり冷静で遺産の話を始めてしまいます。そんな冷たい弟妹達の態度が受け入れられない寿一。
息子が学習障害
小学5年生の寿一の息子・秀生(羽村 仁成/ジャニーズJr.)は学習障害と診断され、学校でも多動の傾向があります。離婚して妻が引き取っていますが、週1で寿一との面会が認められています。
寿一がプロレスラーになった理由
寡黙で厳格な父親がプロレスを見ている時だけは、子供みたいにはしゃいでよく喋る。父親に怒られも褒められもせずに寂しく育った寿一はずっと父親ともっと話がしたくて、父親と唯一会話ができる、プロレスを特別に思っていたのです。
だから、プロレスラーになったのです。
寿一は病室へ行き、意識のない寿三郎に語り掛けます。
「後継者がどうして俺なんだろうってずっと思ってた。長男だから?性格が素直だから?顔が濃いから?そんなんじゃなくて、オリジナルの理由が欲しかった。
だからプロレスラーになった。”そういうもんなんだ”って親父は言ったけど、だったら子供は親に褒めてもらいたい。
そういうもんなんだよ。俺は親父に褒めてもらいたかった。だからプロレスラーになった。チャンピオンベルトを持って帰ったら、さすがに褒めてくれるかもって思ったけど、結局プエルトリコ王座止まりだった。
俺、後継いでやるよ。親父の後を継ぐんだから、そしたら褒めてくれよ」
寿一は引退を決意。
寿三郎が目覚める
引退試合を終えた直後、寿三郎が意識を取り戻したという連絡が入ります。
寿三郎は会見を開きます。そこで「良い知らせと悪い知らせがある」と言って、まず自分の余命が、医者からは半年と告げられたこと、医者はだいたい短めに言うので、本当は1年くらいではないかと話します。そして、なんと、デイサービスのヘルパーで担当だった志田さくら(戸田恵梨香)との結婚を発表。
さくらを膝の上に乗せて、みんなの前でイチャイチャする寿三郎に、踊介と舞は「宗家としての威厳は!?」と激怒。しかし、「今まで72年間、ずっと全てを我慢してやってきたんだ。最後の1年くらい好き勝手させてくれ!」とまるで人が変わってしまった様子。
そして最後に悪い知らせとして、「自分の遺産の全てをさくらに相続させる」と告げるのでした。
入浴介護
寿三郎は最初にデイサービスに入った頃にはなかなか馴染めず、よく逃亡していました。しかし担当が変わって新人であるさくらがやってきて一目惚れ。そのうち「給料2倍出すから、在宅介護をしてほしい」と寿三郎から切り出し、今では週に5回来てもらっています。
しかし、さくらはまだ新米で、規則でできることとできないことがあります。例えば入浴など体に触るケアは親族以外ではやってはいけないことになっています。
みんなが忙しがってやるのを嫌がるため、寿一が入浴とオムツ交換の担当になりましたが、実際の入浴作業はとても重労働で、あんな威厳のあった父親が、今では一人でお風呂に入ることもできないのかと思うと、身内だからこそなんだか情けなくなってしまって、「息子のくせにこんなこともできないの!?」と手際の悪さにイライラするさくらに対して、「息子だからできないんだ…」と泣けてきてしまうのでした。
認知症
在宅介護をするにあたって、寿三郎は認知症の試験を受けることになりました。野菜の名前を言うという簡単な試験だったのにも関わらず、寿三郎は全然野菜の名前が出てこず認知症であることが分かりました。
落ち込む寿三郎に「別にいいじゃんか、あんた八百屋じゃねーんだし」と寿一はぶっきらぼうな言葉ではありますが優しく慰めます。
そしてまた入浴の時間。今度はちゃんと寿一が一人でお風呂に入れてあげます。お互い照れもありますが、少しずつ会話もしながら。
「親父、俺が小さい頃、一度もお風呂に入れてくれなかったんだってな。おふくろが言ってた」
「能というのは神聖なものなんだ。おむつを替えた手で、舞えるか?」
「俺はやるよ。あんたがしてくれなかったことを、俺はやる。なんでかわかるか?”そういうもんだからだよ”」
さくらは詐欺師!?
その頃、踊介はネットで話題になっている、「”さくら”という偽名で老人たちを騙すヘルパーの女」という記事を見て衝撃を受けていました。そこにはたくさんの老人たちと楽しそうに映るさくらの姿が載っていたのです!